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Sunday May 22 2016 category:日記

萩尾望都SF原画展

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札幌から行ってきました、吉祥寺美術館。
知らないところは迷う程度に方向音痴なので、吉祥寺駅から5分程度の場所に行きつくまで小一時間さまよいました(笑)

入場料は100円。
企画展(萩尾望都展)以外にも、常設展示のお部屋も見られるそうなんですが、集中力が持たなかったので萩尾望都展だけ。

図録に載っている原画の展示だったのですが、印刷と原画ではこんなに差があるのかー!と衝撃でした…

萩尾望都 SFアートワークス

萩尾望都 SFアートワークス

  • 作者: 萩尾望都
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/04/09
  • メディア: 大型本

ショップで複製原画も売っていたので見比べたのですが、たくさんたくさん校正しないと、たぶんあの線や色は再現できないんでしょうね…
(複製原画はさすがの再現でした)
大量生産品には無理なのかーという感じ(;´・ω・)
そして、白黒原稿は、複製原画レベルでも丸ペンの細い美しい線は完全には再現しきれないんじゃないかという、きれいなきれいな線が連なっていて…
今まで知っていたコミックスの絵とは別物でした。

生原稿は(白黒もカラーも)、伝わってくる臨場感がまるで違ってます。
紙の中に空間があって、とても立体的に見えるのです。
人物は際立って(浮き上がって)見えます。
もちろんコミックスで見ても、萩尾先生の漫画は空間が広がっていて、奥行きが感じられるものですけど、印刷と手書き原稿ではこれほど違うのかというぐらい差がありました。
それがいちばん印象的だったのが、『11人いる!』の冒頭、タダたちが宇宙服で白号へ向かうシーン。
いまにも11人が動き出して、奥へ進んでいくんじゃないか…と思えるくらい。
この1枚を何時間見ていても飽きないだろうなあ…
複製原画を1枚、どれでも好きなものを買えるなら、この1枚はかなりほしい。
(生原稿をだなんて恐れ多すぎて想像するのも無理…値段的に無理だろうとかは置いておいて)
でも実際に買う段階になったら、キャラクターの顔が出てないしやっぱり違うのにする!とか考えそうですけども(笑)


精霊狩りシリーズ3作の表紙原稿も展示されていたのですが、タイトル文字部分が…なんて言ったらいいの?ひと文字ずつ字を切り抜いて原稿に貼ってあったのが衝撃でした……
(『精霊狩り』と『みんなでお茶を』の2作)
いやーびっくりした。
写植の紙より厚い紙(ケント紙ぐらい)だったので、もしかしたら先生がデザインして切り抜いて貼ったのかしら?

そしてこのころの原稿の線がとても細くてきれいで、ため息しか出ません。
スクリーントーンもあまり種類がなかったころなせいか、効果がまた緻密に描かれていて…
あれは先生がお描きになったのか、それともアシスタントさんなのかしら?
点描の大きさがひとつひとつおなじ!とか、カケアミのほっそい線の間隔が一定とか、線の抜き具合が絶妙とか…
透ける感じの服から見える下の服の線なんて、ひとつひとつ描かれているのです。
ホワイトで修正してないの。
なんという集中力。
ホワイトといえば、ホワイトで書き足されている巻き毛のくるくる、曲線の美しいこと…!

さらにホワイトといえば、『あそび玉』。
際限ないホワイト地獄…とあったので、もっと修正されているのかな?と思ったら全然で、あれはゲラを修正して作った別の原稿だったのかしら…
そうそう、『あそび玉』の原稿がいちばん最初に展示されているので、印刷原稿の線と生原稿の線がどれほど違うのかというのがとても分かりやすかったです。
『あそび玉』原稿は「あ、コミックスとおんなじ」という感じだったのですが、ほかのものは……ほかのものは……



カラー原稿は、印刷だとピンク(蛍光)が抑えめに、青・緑は強めに出るのかな~?という印象でした。
あと、印刷では線がつぶれているのがはっきりわかったのが、残念…
いや、どうしようもないんでしょうけれども。
(ポーやトーマの美しいカラーも見てみたいなあ…これもまるっきり印象の違うものなんだろうなー)
『みずうみ』のタイトルページの水滴(涙)は、もっときれいな青で、絵を全体的に眺めた時にとても印象的になるように描かれているのに、印刷だとちょっとのぺっとなってしまっているのとか、『11人いる!』のカラーで主線が緑で描かれているもの、あれ原画だともっともっと美しい線で、立体的に見えるよう主線は目立たないように描かれている…とか。

おもしろかったのはカラートーンで、印刷だと貼ったときに中に入る気泡が目立たないように処理されている?
それとも文庫だと、単に小さいサイズになるので目立たなくなるのかしら?
そして、カラートーンは思ったより発色が地味だったのに衝撃。
実はカラートーンというものじたい、初めて見たんですけれども。
印刷のほうが発色がきれいでした。
なんといいますか、いわゆるカラートーンという色になってました。
そういうものなんですねー!へぇー!


『兇天使』のイラストの原画もあって、眺めながら「これはあのシーン」…とか思い出しました(笑)
アフロディトの頭に鳩がのっかってるイラストが美しくて…この複製原画もほしいわー!
というか、飾ってあったとおり額装された状態(『兇天使』のイラスト白黒8枚あったのかな?)でほしい。
カラーはセラフィがバイクにまたがっているやつも見たかったなー!
ポスターで持っているけど…拡大されてるのでちょっと線がつぶれてるから…
下巻の口絵(セラフィとジラフがエジプトにいるやつ)の主線が、赤系の美しい繊細な線で描かれていて…
思ったよりも小さいサイズのカラーでした。
(バイクセラフィも同じサイズの原稿だとすると、かなり拡大されたんだなあ…)


80年代のカラーイラストは、背景がインクをぼかして塗られているのが多かったのですけど、これがまた美しいとしかいえなくて(語彙が貧困ですみません;)
これ本当にアナログ作業で描かれたの?というくらい美しくぼかされているのです。
これも印刷だと、微妙な濃淡やグラデーションがわからなくなっていて残念でした。
もうね、図録、数万円してもいいから原画再現するぐらいの精度で作ってほしいわー…
数万円じゃ無理かしら(;'∀')
額装の複製原画が2~3万円ですもんね…


『スターレッド』の2色原稿は、セイの服だけが鮮やかな赤で塗られているのがはっきりわかって、とてもおもしろかったです。
II期作品集で見ると、セイの服とほかの赤の色味はかなり近くて、あまり違いを感じにくいのだけど、原稿はセイが色鮮やかに浮き上がって見えるように塗られているのでした。
別の絵の瞳の赤もきれいだったー…
印刷であのニュアンスが失われてしまうのが、本当に残念でたまらないです…

『マージナル』のコミックスの表紙画も細かかった…!
特に1巻のキラ、どうやってこれを塗ったのか、と想像するだけで気が遠くなりそうでした(笑)
『双頭』の扉絵は真昼の鮮やかな陽射しで、ホテルに帰って図録を見たら半分くらいも鮮やかさが出ていないくらいで、こんなにも違うのかと(略


とにかくもう何もかも、鮮やかで、繊細で、美しく、深みがあって、何度見返しても新発見があって、どれだけ見ていても飽きない展示でした。
というか、もうむしろあの展示室に居座りたかった(笑)
帰りたくなかったー!
心の底から東京近郊に住みたかった…!と思いましたよー!!
そうしたら、毎日でも通って見るのになあー。
100円だし(なんてお得なんだ)

そうだ、入ってすぐのところにモニターが設置してあって、4/16にあったヤマザキマリさんとの対談のダイジェストが流れていました。
椅子があって、ゆっくり観られるようになっていたので、ありがたく拝聴してまいりました。
21エモンがお好きだったとは知りませんでした(*'v`)
闇の左手の話は、どこかで読んだ記憶があるのですが…



入口のあたりにある、ほぼ等身大のパネル2枚(写真可)↓
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こんなに拡大しても鑑賞に堪えうる美しさよ…


萩尾望都SF原画展 宇宙にあそび、異世界にはばたく

展示されていた絵の詳細については、こちらが詳しいです。
萩尾望都作品目録さんのところのイベントページ内
萩尾望都SF原画展
いつも貴重な情報、ありがとうございます♡

それにしても、入れ替え前の原稿も拝見したかったわー!
タグ:SF Ringo comics

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